2023 令和5年度 技術士 選択科目(鋼コン)

13試験問題解答例_鋼構造コンクリート

建設部門:鋼構造及びコンクリート(コンクリート)

II 次の2問題(II-1,II-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

II-1 次の4設問(II-1-1~II-1-4)のうち1設間を選び解答せよ。(緑色の答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙1枚にまとめよ。)

II-1-1 鋼構造物の主部材における主な損傷は,腐食による断面減少,疲労き裂,変形がある。これらの中から損傷を1つ選択し,主部材の損傷箇所を特定したうえで,その損傷に対する補修が必要と判断された場合,代表的な補修方法及び設計と施工における留意点を説明せよ。

II-1-2 供用期間中の鋼部材に生じるき裂の部位と種類を1つ示し,それを検出するための非破壊検査について,浸透探傷試験,磁粉探傷試験,渦流探傷試験,超音波探傷試験の中から2つを選択し概要と特徴を述べよ。

II-1-3 プレキャスト工法を用いたコンクリート構造物の事例を1つ挙げ,設計上の留意点を2つ示し,それぞれについて対策を述べよ。ただし,事例として側溝等の小型コンクリート構造物は除くものとする。

II-1-4 寒中コンクリートとして施工する気象条件について概説し,コンクリート構造物の品質を確保するうえで留意すべき事項を施工計画,品質,材料,配(調)合,練混ぜ,運搬及び打込み,養生,型枠及び支保工,品質管理から2項目を選んで示し,それぞれに対する対策を述べよ。


II-2 次の2設問(II-2-1,II-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(青色の答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙2枚を用いてまとめよ。)

II-2-1 近年,想定を超える自然災害により,インフラ構造物に被害が生じる事例が増加している。今後,新設構造物の設計,既設構造物の補強設計,施工計画等を行う際に,設計荷重を超える自然現象の外力(超過外力)が作用したとしても,損傷を制御し,構造物として必要な性能を確保するために,冗長性の確保や災害後の復旧性に配慮することが求められる。あなたが鋼構造物及びコンクリート構造物を担当する技術者として業務を行うに当たり,下記の内容について記述せよ。

(1)対象とする構造物と自然災害を設定し,超過外力に対する冗長性の確保や災害後の復旧性を考慮した調査,構造検討すべき事項とその技術的内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順を列挙して,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

II-2-2 老朽化した地上構造物の健全性を評価するに当たり,点検困難部の損傷程度を推定することになった。ここで,点検困難部とは,接近し肉眼で,点検できない狭隘部(足場を設置すれば損傷を直接目視できるなど容易に点検できる箇所や部材を除く)や直接目視では損傷を点検できない密閉部,表面被覆された部材などの不可視部をいう。

この業務を担当責任者として進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。

(1)点検困難部の具体事例と想定される損傷を挙げ,その損傷程度を推定し,地上構造物の健全性を評価するために調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順を列挙して,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


III 次の2問題(III-1,III-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色の答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

III-1 我が国の生産年齢人口は1995年をピークに減少局面に突入しており,建設業就業者数も減少の一途を辿っている。今後10年間には,熟練技術者の大量離職も見込まれていることから,継続的な技術・技能の伝承を図るとともに,次世代を担う技術者の育成を行っていく必要がある。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)今後,減少していく熟練技術者の技術・技能,建設業界として培ってきた技術を伝承するとともに,次世代の技術者の育成を図っていくうえでの課題を,鋼構造及びコンクリートの技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

III-2 建設業では建設技術者の不足や高齢化が深刻な課題であり,業務の効率化が進められている。また,長時間労働是正に向けた働き方改革を進めるうえでも業務の効率化が求められている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)省力化や働き方改革等に向けた鋼構造物又はコンクリート構造物の調査,設計,製作,施工,維持管理の業務効率化の取組における技術的課題を,技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,これを最も重要とした理由を述べよ。その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

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