記述試験
やはり、総監試験の難関はここです。問題は各科目共通で1問しかないのですが、問題文がやたらと長いです。おまけにページが多い場合があり読みづらい!また、課題指定の場合と事例を挙げさせる場合(これも実例と仮想事例の両方あり)など、複数の出題パターンがあります。過去・現在・将来にわたる変化の中で解決されること、されないこと(残ること)、将来解決されるけど新たに生じるリスクを問われるなど、内容も実に深い。更問いの内容も前段を踏まえたものとなっており、きちんと質問の意味を理解して解答していかないと、最後につじつまが合わない混乱した答案になるおそれがあります。
従って、この記述試験は時間が3時間半もあるのですが、最初の1時間程度は解答の構成をじっくり考える必要があり、試験会場では鉛筆の音はしばらくは全く聞こえず、全員が腕組みしたり頭を抱えたりしてひたすら考えています。
試験対策としては、思考プロセスをある程度パターン化しておくことと、実例や仮想事例を求められることが多いので、自分が経験した業務のなかでも数が多いもの(例えば、河川や道路の災害復旧事業の経験が多い方は、それを事例にした方が業務のなかで実際に起こったことや起こりうることなどが浮かびやすい)を選んで、いろいろな問い(R1ならヒューマンエラー、H30なら働き方改革、H29なら持続可能性)に答えられるようにしましょう。まずは問題の意図を確実に読み取り、各問いへの解答の過程で流れが途切れないように、簡単なフロー表を作成し埋めていく練習が役に立つと思います。ただし年により、問題用紙にメモ欄が多いときと少ない時がありますので、注意が必要です。
解答フロー表
最近の問題に応じた表の事例を添付しますので参考にしてください。
復元解答
合格した試験での復元解答も添付します。(今読み返すと??の部分もあります)
令和元年試験 1-2 復元解答
参考資料
- 前出5つの管理での資料
- マネジメント ダイヤモンド社
- トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか プレジデント社
- イノベーションのジレンマ 翔泳社
- 技術士ハンドブック第2版 オーム社
- トレードオフを勝ち抜くための総合技術監理のテクニック第4版リスクマネジメントのすすめ 地人書館
口頭試験
口頭試験は、他部門と同様に20分が基本です。場合により多少延長されることもあるようです。口頭試験で確認される内容は、「経歴および応用能力」と、「体系的専門知識」です。技術的内容や技術者倫理、法令やCPDなどについての質問はありません。
一般的な口頭試験では、次のような質問が多いようです。
- 経歴の説明(総監の視点から)
- 経歴についての質問
- 業務詳細の説明
- 詳細業務を受けての質問
- 5つの管理についての質問
総監の口頭試験は、何をどこで聞かれるか分かりません。まったく業務詳細についての質問がない場合もありますし、逆に業務詳細についての専門技術的な質問ばかりだったというケースや、なんとなく雑談で終わったような感じだったという場合もあります。
ですが、ここが大きな分かれ目になるところです。試験官が確認したいのは、受験者の「総監リテラシー」なのです。間違えてもただの雑談で終わったり、専門技術についての質問に対して正直に専門技術だけで答えたりしてはいけません。試験官は、あなたの「総監技術力」を知りたいのです。なので、総監の視点(5つの管理やリスクマネジメントでの考え方)を忘れて答えてしまうと、残念な結果となるおそれがあります。常に総監の視点での回答を心がけておきましょう。
口頭試験での総監思考力を身につけるためには、やはり「模擬試験」を受けるのが一番です。私は本番までに延べ6回の口頭模試を受けました。模擬試験のたびに質問者や質問内容が変わるので、多様な視点からいろいろな切り口での質問を受けることができます。口頭模試は多く受けるほど、場慣れもしますし想定問答を作るときの貴重な資料にもなります。
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