オリンパス PEN FT

04カメラ

※この投稿は旧サイトからそのまま記事を移行したものであり、内容は作成当時のままです。ご容赦ください。

 2006年はカメラのデジタル化が著しく、ニコンも銀塩撤退(にほぼ近い)、コニカミノルタに至っては写真・カメラ事業から手を引くなど、業界には再編の嵐が吹き荒れています。で、全然関係ないんですが、地方情報誌にカメラ関係の広告が入っていて、それが意外と近くの宇和島市にあり、中古とかも豊富らしいのでのぞきに行ったら・・・。

本当はここのカメラ屋にはいろいろ展示してあるのは知っていましたが、そとから眺めたことが2回ぐらいあっただけで、そんなに多くの品があることは知りませんでした。で、キヤノンのEF50F1.4があるらしいので見に行きました。
 キヤノンのレンズはありました。で、EOS7も持参していたので、早速つけさせてもらってAFのチェックをしたり、シャッターが作動するか確認をしていたら、プレビュー状態にしたときに絞り羽根がもとに戻らないことが判明。何回か他の機体でもチェックをしてもらったけど、うまく動かない。どうも故障らしく購入は見送り。そのときに店内をみていたらけっこう古いカメラの在庫が豊富な事がわかりました。キヤノン・ニコン・ミノルタ・オリンパスのMFカメラをかなり置いてありました。そのとき見つけたのがPEN Fシリーズです。元祖PEN Fもあり、FTも2台ほどあり価格もけっこうリーズナブル。
 それから一週間後、PEN FTと38F1.8のセットを手にしました。


 PENシリーズはオリンパスのカメラでは「伝説」となっています。なかでも一眼レフのFシリーズは世界唯一のハーフサイズ一眼ということ、そしてその独創的なメカニズムとデザインでいまだに根強いファンが大勢います。

 購入前にいろいろ調べたのですが、PEN FシリーズにはPEN F、FT、FVと3種類あり、うち露出計内蔵はFTということがわかりました。単体露出計なんか持っていないし、露出計内蔵のカメラをいちいち一緒に持っていくのも面倒だし、店にあったFTのうち、値段の安い方を手にしました。

「・・ファインダーが見づらい!・・・」あれ、シャッターが降りません。
で、いろいろ試していたけどできないので店員さんに交代。
店員さんも困っている。巻き上げしたけどシャッターが降りない。しばらく時間がかかる。なにか機械的な不具合か?
「カシャ・・・降りました」
その後順調に巻き上げ-レリースができる。
「露出計の見方が解らないんですが・・」
「電池を入れます。アダプタ+LR44になります。」これはOMで経験済み。
ファインダ左側の指針0-7の間を針が動く。それが指した番号に、レンズ絞り環「裏」にある番号をあわすという代物だった。めんどくさー・・(これは絞り値と番号の関係を覚えていれば、さほど気にするものではなくなりました)。
シャッタースピードを変えて試してみる。一応変化する。裏蓋あけてみるとモルトの劣化もなさそう。
しばらく考えて・・・
「ください」
6ヶ月保証付きで、約40年前の機械式カメラを手にしました。


PEN FTの簡単なインプレです。

最大の特徴は「一眼レフ」にあるペンタプリズム(ミラー)によるとんがり屋根がないことです。これは最近のデジ一眼E300系統に引き継がれています。

前面から
標準レンズ38F1.8がついた状態
Fなら花文字がある位置にセルフタイマーが着いています。
(この機体は不調で作動にムラあり)

軍艦部
フラットな上面
大きなレリースと巻き上げノブ
カウンタは72枚以上あります

マウント直上
FTの刻印(?)

レリースとカウンタ
下にあるのは露出計指針への採光窓

巻き上げノブ
Fはハーフサイズなのに2回巻き上げだったのが、FTでは1回に改善されたらしい。

ファインダー
当然「縦位置」がデフォルトです。
これが暗くてピントがわかりにくくて見にくい。
MFなのにスプリットでないのがさらに輪をかける。
経年劣化もあるかもしれません。

シャッタースピードダイヤル。
バルブ,1~500まで調整可能。当時はフィルムの性能が低かったから1/500でも充分だったか?
ISO感度(当時はASA)調整ノブも兼ねています。

裏面
巻き戻しクラッチがOMと違い標準的?な位置にあります。
電池は水銀電池(現在はアダプタ使用LR44)
露出計のスイッチはないので常時通電らしい

マウント
OM/現在のEシリーズと異なり、逆ねじ方向(ニコン方向)でレンズ脱となります。ミラーは横方向へアップ。

シャッター。
ロータリーフォーカルプレーン式、横走りでも縦走りでもない回転式。
レリースの感触はものすごく速いような気がします。

マウント上部とレンズ。
このころからオリンパスは絞り環をレンズ前面にもってきていたのですね。
レンズ脱着の仕組みはOMと似ています。

いいところ

  • 創的なメカニズム、ほどよい大きさのボディサイズ。
  • ハーフだから35mmの2倍の枚数が撮影できる(逆に困ったりもする(^^;))。
  • 一眼だからピントはシビアに合わすことができる。
  • 露出計内蔵なので露出も単体で完結する。
  • どうしてハーフ一眼がブームにならなかったのか不思議(設計者いわく特許で縛りすぎた?)。

おや?と思うところ(いまさらですが)

  • ファインダーが非常に見にくい。暗いしピントがわかりにくい。せめてスプリットにしてくれたら。
  • ハーフなんだからボディはもう少し小さくてもよかったのかな。OM-1と変わらない大きさ(OMが小さいのか)
  • 露出ナンバーはわかりにくい(といっても、当時はこれで充分だったのでしょう)。
  • 巻き上げが「順捲き」のため、失敗してしまった(未露光・・・(T_T))やっぱ逆捲きが間違いが少ない。
  • 年式のためか露出も不安定、レリーズも降りない事がある。まあ、仕方ないか。

撮影サンプル(ポジをスキャナで読み込み FUJIベルビア100 エプソンGT7300)

 デジタル化が進んでしまった現在、今後銀塩機械式ハーフサイズ一眼なんか絶対出てこないでしょうから、カビサビが生じないよう壊れないようじっくり使っていきたいと思います。でもあんまり時代が過ぎるとフィルムがなくなるかな?富士フイルムがんばってね。

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