建設部門:鋼構造及びコンクリート(コンクリート)
II 次の2問題(II-1,II-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)
II-1 次の4設問(II-1-1~II-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(緑色の答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙1枚にまとめよ。)
II-1-1 アーク溶接により鋼材を接合した際に生じる可能性のある溶接欠陥を2つ挙げ,それぞれの欠陥を説明し,その要因と留意点を述べよ。
II-1-2 軟鋼及び高張力鋼について,引張試験から得られる応力-ひずみ曲線を機械的性質に関する用語と共に図示せよ。応力-ひずみ曲線は,6マス×15マス程度に図示すること。軟鋼と高張力鋼の特性の違いを踏まえつつ,応力-ひずみ曲線から得られる機械的性質について3つ以上説明せよ。
II-1-3 コンクリート構造物の変状には,アルカリシリカ反応,塩害,火害などがある。この3種類の変状の中から1つ選択し,その変状のメカニズムを概説せよ。また,選択した変状の程度を調査する方法,及び変状の程度を考慮した補修方法について述べよ。
II-1-4 コンクリート構造物の温度ひび割れの発生メカニズムについて説明せよ。また,温度ひび割れの抑制対策を2つ挙げ,それぞれについて目的と留意点を述べよ。
II-2 次の2設間(II-2-1,II-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(青色の答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙2枚を用いてまとめよ。)
II-2-1 業務が進む過程で,施工計画の前提となる条件に変更が生じたため,計画を見直し,施工時における構造物の安全性を再検討する場合がある。あなたが制約条件の多い都市部の鋼構造物及びコンクリート構造物の施工計画を担当する技術者として業務を行うに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)対象とする構造物,現地の状況及び条件の変更点を設定し,施工時における構造物の安全性を確保するために調査,検討すべき事項を複数挙げ,その内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順を列挙して,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
II-2-2 構造物の改築,改修,補強の施工時点において,既設部の施工の不具合や設計との不整合が現場で確認される場合がある。このような場合,改築,改修,補強によって予定どおり構造物の性能が確保できるかどうかの判断と,確保されないと判断される場合には新たな対策の検討が必要となる。あなたが鋼構造物及びコンクリート構造物を担当する技術者として業務を行うに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)対象とする既設構造物と改築・改修・補強の目的,また不具合・不整合の内容を設定し,安全性若しくは耐久性を判断するために調査すべき事項と必要な性能を確保するために検討すべき事項を示し,その技術的内容について説明せよ。
(2)業務の手順を列挙して,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
(3)上記業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
III 次の2問題(III-1,III-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色の答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)
III-1 我が国では,高度経済成長期に数多く建設されたインフラの維持管理時代に突入し,建設段階では想定していなかった不具合が点検や補修工事等の維持管理段階で多く確認されている。よって,確実かつ効率的なインフラの維持管理を行うためには,構造物の計画・設計段階から維持管理の確実性及び容易さに配慮した具体的な対応が求められている。
このような状況を考慮して,以下の問いに答えよ。
(1)鋼構造物又はコンクリート構造物の計画設計段階において,維持管理上配慮しなければならない課題を,技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。(※)
(※)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,これを最も重要とした理由を述べよ。その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
III-2 日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言している。そのため,鋼構造及びコンクリートの分野においても,カーボンニュートラルの実現に向けて,CO2削減への取り組みを推進する必要がある。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)鋼構造物又はコンクリート構造物の設計,製作・製造,施工,維持管理,改修,解体において,CO2削減を推進するうえでの課題を,技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。(※)
(※)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前間(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
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