02出願

03技術士試験対策

出願から試験は始まっている

 平成25年(2013)の技術士試験制度改正から、受験申し込み(出願)の際に「業務経歴」とともに「業務詳細」の提出が必要になりました。「業務詳細」の提出は平成31年(2019)の試験制度改正においても変更はありません。
 この「業務経歴」「業務詳細」が非常に重要です。口頭試験においての試問資料となっていることは変わりませんが、2019年以降の口頭試験ではこの扱いが大きく変わっています。

口頭試験での出願書類の重要度

 コンピテンシーの記事において、口頭試験で確認される資質能力について触れましたが、もう一度ここでおさらいしてみましょう。

口頭試験(総監を除く)

 技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における記述式問題の答案及び業務経歴を踏まえ実施するものとし、次の内容について試問する。

I 技術士としての実務能力
  • コミュニケーション
  • リーダーシップ
  • 評価
  • マネジメント
II 技術士としての適格性
  • 技術者倫理
  • 継続研さん

出典:令和2年度技術士第二次試験受験申し込み案内 P7-9


 口頭試験での確認項目には、「専門的学識」や「問題解決」について触れられていません。2019年までの口頭試験では、主に「業務詳細」の課題・問題発見、技術提案の妥当性が問われていましたが、2019年以降はこれらは評価項目からは外れています。つまり、これらの能力は筆記試験で確認済であることはもちろん、口頭試験の試問資料となる「業務経歴」「業務詳細」においても確認できることが前提になっています。技術的に妥当である業務経歴を有していることが、「業務経歴」「業務詳細」を一読して理解できるようなものでないと、そもそも口頭試験での評価ステージに立つことすらできないのです。

出願書類に記載しなければならないこと

 出願書類の「実務経験証明書」には、「大学院における研究経歴/勤務先における業務経歴」と、業務経歴の中から抜粋した「業務内容の詳細」を記述する必要があります。
 「業務経歴」の5行においては自身の成長過程(修習課題・資質能力の形成過程)とともに、関わってきた業務の内容(技術的難易度やマネジメントの内容)が分かるように要約し記述します。
 そして「業務内容の詳細」では、業務の概要が理解しやすく、かつ問題・問題分析とそれに対する提案が適切であることが必要です。合わせて口頭試験で確認される「コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント」と「技術者倫理」についても関連付けて答えることができるようにしておかなければなりません。

業務経歴に必要なこと

  • 自身の成長過程を示すこと
  • 単純に「何々をやった」だけではなく、どのような条件の下で何に配慮し何をしたのか、業務の技術的困難さを伝えること(数値を使用し定量的に:長さ、高さ、深さ、強度、勾配、面積、数量など)
  • コンピテンシー(マネジメントやリーダーシップ)の形成過程が伝わること

業務内容の詳細に必要なこと

  • 業務内容が理解しやすいこと(複雑、高度、レアなケースは避ける)
  • 課題設定、問題・問題分析、提案と提案に至る思考過程が明確で妥当であること
  • 提案を阻むものと対策として、マネジメント(資源配分:費用、資機材、人員、時間、情報)やリーダーシップ(利害調整:AさんとBさんの利害衝突の解消)を絡めて説明できるとなおよい
  • 業務の成果は口頭試験での評価対象にならないので、ごく簡潔に

 業務詳細はこれらをわずか720文字でまとめなければなりません。技術者としての「コミュニケーション能力」(文章できちんと伝える能力)も、実は確認されているのです。

 文章作成能力を一朝一夕に培うことは難しいですが、わかりやすい文章を書くコツとして次のことを意識しましょう。

  1. 起承転結を意識する
  2. 主語述語を明確にする
  3. 回りくどい言い回しを避ける
  4. なるべく短文にする
  5. 箇条書きを活用する


 また作成した文章は必ず自分以外の誰かに読んでもらい、わかりやすさ(伝わりやすさ)を確認するといいでしょう。

 わかりやすく、技術的にも妥当な業務詳細を提出することが、そのあとの口頭試験での悲劇を防ぐ布石になるのです。

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